話し合いを求める要求書とそれに対する応答

私たちはまず、学内の諸団体に働きかけて、タテカン規制についての話し合いを求める要求書を2月8日に提出しました。

しかし、大学当局の返答は、「『京都大学立看板規程』は既に大学として決定されたものであり、話し合いの場は設定しない」というだけでした。

これに対して、私たちはもう一度連名団体に呼びかけて、3月8日に対話拒否に対する抗議声明を出し、再度話し合いを求めました。しかし、これに対して大学当局からの応答はありません。

3月9日には、課外活動や学生寮など広く学生に関する事項を審議する全学的な委員会、学生生活委員会の会議の前に、各委員に抗議声明を手渡ししました。その結果、会議の場で、「学生との話し合いの場を設けるべき」とある委員は発議します。しかし、なんと、「この動議に対して賛否双方の意見があったため、委員会としては議決を行わないこととな」ったと議事録には記されています*1

学生との話し合いについて、賛否双方の立場から意見を出しながら議論を深めていくのではなく、〈議論の結果を出さない〉ことを決めてしまったのです。仮にも「理性の府」を自称する「京都大学」が、このような非民主的なやり方でやり方で、学生との対話を拒んでいることが、タテカン規制の問題から明らかになったのです。

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◆「京都大学立看板規程」に関する話し合いを求める要求書

学生担当理事・副学長 川添信介 殿

学生生活委員会第二小委員会 御中

京都大学立看板規程」に関する話し合いを求める要求書

2018年2月8日

京都大学新聞社、熊野寮自治会、西部講堂連絡協議会、

農学部自治会常任委員会、文学部自治会学友会常任委員会

吉田寮自治会、理学部自治会評議会

 12月19日、「京都大学立看板規程」が制定された。本規程は、学内の立て看板に関して、設置場所や設置者、看板の大きさなどをかつてないほど厳しく制限している。しかし一方で、本規程の制定に当たっては執行部を中心とした教員の会議体で議論・検討されただけで、当事者である学生は検討プロセスから排除されている。学生との話し合いのないままこのような規程が制定されたことは、学生の主体性を軽んじ、その自由な活動を制約するものであり、到底容認することができない。

 したがって、本件に関して、すべての当事者が自由に参加できる公開の場での話し合いないし説明会の開催を要求する。本規程の制定に関わった責任ある立場からの応答を望む。

 回答は2月19日までに返答されたい。

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◆要求書に対する「回答」

※筆者注:回答を出す際の便宜的な連絡先として伝えていた吉田寮自治会へのメール(2018年2月23日15時17分)。文書での回答を求めたが断られた。

京都大学新聞社

熊野寮自治会

西部講堂連絡協議会

農学部自治会常任委員会     御中

文学部自治会学友会常任委員会

吉田寮自治会

理学部自治会評議会

 平成30年2月8日に提出された要求書への回答ですが、吉田寮自治会宛に連絡するようにとのことでしたので、吉田寮宛メールアドレスに送信しています。

 平成30年2月8日に提出された要求書への回答は次のとおりです。

 なお、文書による回答をとのことでしたが、川添理事は文書による回答は行わないとのことです。

◎「京都大学立看板規程」は既に大学として決定されたものであり、話し合いの場は設定しない。

◎また、説明会も開催しない。周知はキャンパスライフニュースで全学生に向けて大学の考えを発信する。

◎なお、本規程に関する質問があるのであれば、学生意見箱で受け付ける。

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京都大学教育推進・学生支援部厚生課課外活動掛

TEL:075(753)2504

FAX:075(753)2512

E-mail:840kagai@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp

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◆抗議声明

学生担当理事・副学長 川添信介 殿

学生生活委員会第二小委員会 御中

京都大学立看板規程」に関しての対話拒否に対する抗議声明

2018年3月8日

京都大学新聞社、熊野寮自治会、西部講堂連絡協議会、農学部自治会常任委員会

文学部自治会常任委員会吉田寮自治会、理学部自治会評議会、

THE OXYGEN DESTROYERS(吉田寮厨房使用バンド)

 2017年12月19日に「京都大学立看板規程」が制定された。本規程は、学内の立看板に関して、設置者・設置場所・看板の大きさなどを前例のない形で厳しく制限している。京都大学において、学生・教職員をはじめとする多くの個人及び団体が立看板を出すことによりさまざまな活動を行っていることを踏まえれば、本規程の制定にあたり、関係当事者との十分な話し合いの場が持たれるべきである。しかしながら、本規程の制定に際しては、部局長会議・役員会・教育研究評議会といった一部の教員のみが参加できる会議体で議論・検討されただけであり、多くの関係当事者が議論・検討の過程から排除されていた。当事者との話し合いがないままに大学当局がかかる規程を制定することは、関係当事者の主体性の軽視であり、その自由な活動の制限につながる恐れがある。

 故に、2018年2月8日に学生諸団体の連名で、すべての当事者が自由に参加できる公開の場での話し合い、ないし説明会の開催を求める要求書を提出し、責任ある立場の者からの回答を2月19日までに求めた。しかし、2月20日に教育推進学生支援部厚生課より、吉田寮自治会宛てに上記の要求を拒否するという回答が送られた。回答のなかでは「『京都大学立看板規程』は既に大学として決定されたものであり、話し合いの場は設定しない。」と述べられている。

 上記の回答は、当事者の話し合いの求めに対する京都大学当局の対話拒否と受け取らざるをえず、看板を用いて活動をしている多くの個人・団体の主体性を軽視し、その活動が本規程により制約を受けることへの懸念に何ら応答するものではない。したがって、京都大学当局の本規程に関しての対話拒否の姿勢に対して強く抗議するとともに、以前に要求したようなすべての当事者が自由に参加可能な公開の場での話し合いないし説明会を可及的速やかに開くことを改めて求める。

*1: 学生生活委員会(2018年3月9日)議事概要

【議事】
2.その他
 委員から、立看板設置について、現在の状況に関する質問があり、それに基づいて、委員長に対し、この件について学生と話し合うように委員会として求めたいという動議がなされた。この動議に対して賛否双方の意見があったため、委員会としては議決を行わないこととなり、個々の委員から意見が述べられた。